僕は某大学の医学部医学科5年生でして、
最近は臨床実習で精神科をまわっています。

毎日午前中は指導医の外来診察の見学で、
診察室で指導医と患者さんの会話を聞いていると
この患者さん異常だな、病気だな、
と感じることがしばしばあります。

見学中は暇なので、自分がなぜそう感じるか、を
第三者的に考察していたら
患者さんだけをまな板に載せて
「異常」とか「病的」とか判断するのは
乱暴じゃないかという気がしてきました。

異常というからには正常の定義が必要です。
正常というのは点ではなく範囲だと思いますが、
どこまでが正常でどこからが異常か、という線引きは
患者が属している社会・集団によって異なります。

つまり、目の前の患者が正常か異常か診断する、ということは
患者が属している集団が規定する正常を考える、
ということでもあります。
ということは、その集団の規定する正常の範囲が変われば、
その患者が正常か異常かという判定も当然変わってくるわけです。
つまり、患者さんだけでなく患者さんを取り巻く集団についても
考えなければならないと思うのです。

そういう風に考えていくと、異常だとされている患者がいるとして、
その患者を正常の範囲内に戻すために二つの戦略があることに
気づきます。

一つ目は目の前の患者を一生懸命治療する、という戦略。
もう一つは患者が属する集団が規定する「正常」の範囲をずらす、
あるいは拡大する、という戦略です。
精神病患者の人権回復運動なんかは後者の戦略です。

こういう風に考えると、精神科医療というのが
とてもスケールが大きくて面白い(やりがいがある)
領域だと思えてきました。
もっと勉強して考察してみようっと。

全然更新していなかったこのブログですが
今後は医学生生活の記録を中心に更新
していこうと思いますので、
ご愛読の程よろしくお願いします。